レイキャビクにて

30歳になった。

どうして節目の誕生日に旅行をしようと思ったのか、どうして迷いもなくアイスランドを選んだのか、思い出せないし、よく分からない。

今まで経験したことのない長いフライトを経て、ようやくたどり着いたアイスランド。正直、空港からレイキャビク市街に向かうバスの中でも思った。どうして今、ここにいるんだろう、と。期待と違ったわけでも、重たい雲と止まない雨に失望したわけでもなく。ただ、単純にそう思った。

でも今日、レイキャビクで30歳の誕生日を迎えて分かった。結局、きっかけも理由もよく分からないけど、私には、これ以外の誕生日はあり得なかった。

参加したCityWalkのガイドがエリックさんで、6月17日がアイスランド独立記念日だと教えてくれたこと。

出場すら奇跡と言われるアイスランドが、初めて出場するワールドカップの初戦でメッシ擁するアルゼンチン相手に勝ち点1を取ったこと。そして、その瞬間をアイスランドのバーで、アイスランド人に囲まれて応援しながら迎えられたこと。

20代最後に食べたCafe Lokiのライ麦パンのアイスクリームが、もう忘れられないほど美味しかったこと。

ハットルグリムス教会で、誕生日の朝にパイプオルガンの演奏を聴けたこと。

独立記念日の祝典で、アイスランドの首相にお目にかかれたこと(若い女性だったことに勇気をもらった!)。

すてきな音楽を奏でるマーチに参加できたこと。

マーチを先導するアイスランディック・ホースを間近に見ることができたこと。

ライブに参加して、アイスランドのお気に入りのアーティストができたこと(Dadi Freyr良すぎた!!距離感は忘れない。活躍してほしいな。)。

そして、こんな特別な思い出をくれたアイスランド独立記念日が、独立を率いたヨン・シグルズソンという人の誕生日(まさかの同じ誕生日!)に因んでいること。

 

どれもこれも、ただの偶然。私だけにしか意味のない偶然。だけど、いや、だからこそ。私の30歳、アイスランドで迎えられて本当に良かった。

 

また、誰に感謝するでもないけど。こんなに忘れられない思い出を沢山くれたアイスランドありがとう。大好き!!

 

この幸先、30代ますます期待できそう。よし、楽しむぞ〜〜

穴があったら入りたい in ドーハ

ううぅッ…やってしまった〜。

ハマド空港のトランジット中に、バスツアー「DISCOVER QATAR」に参加。すっごく良かったのに、最後に立ち寄ったマーケットで集合時間を間違えてバス待たせてしまった…。何分待たせたか分からないけど、ちょっと仲良くなった日本人のご夫婦に「拐われちゃったかと思って心配したわ〜」と言われたので、だいぶ待たせてしまったんだろうな…。

穴があったら入りたい。いや、むしろ掘って入りたい。最後、どうにも居られなくて、仲良くなったご夫婦にご挨拶もしそびれてしまった…。

 

はぁ。落ち込む〜。

 

とりあえず、汗まみれの服を着替えて、下ろしてた髪の毛結んで、気分転換。これで今回の旅の厄が落ちたということにしよう。うん、そうしよう。

上空10,972m、コーランの調べ

添乗員さんに起こされて、朝食。まだ夜ご飯食べたばっかじゃん!!?て、びっくりしたけど、どうやら寝てる間にインドも飛び越え到着2時間前らしい。

 

初、インド以西。機内モードなのに、iPhoneもちゃっかりイスラマバードに体内時計を調整したみたいだし。優秀。

 

隣に座ってた品の良い夫婦が空いている列に移動してくれたから、1列贅沢遣い。搭乗際に流し込んだハイボールと機内で頼んだハイネケンの助けもあって、7時間くらい一度も起きず。快適だった〜。ご飯も美味しかったし!

 

ズートピアも見終わって(良かった!)、ドーハの上空10,972mにてコーランの調べに耳を傾ける。

 

♫マーク押したらコーランが聞けるなんて思わなかったけど、小節を利かせた単調な調べとアラビア語の独特な発声がクセになりそう。

 

東京は9時20分。いつもなら電車の中。でも、今は夜明け前のドーハ上空。到着3分前。世界って、思ったより近い。

グッバイ、20代。ハロー、30代。

20代も残すところ、あと4日。

ハタチの頃になんとなくイメージしていた30歳像からすると、だいぶ仕上がり甘い気がするけど。

楽しかったこと、辛かったこと。忘れてしまったことも沢山あるけど、とにかく大きな病気やケガもなく、家族や友達に囲まれて、平和であったかい時間を過ごせていることに感謝しないとな、とふと思う。だれに感謝するでもないけど。

グッバイ、20代、ハロー、30代。

なんだろう、ちょっと生まれ変わる感覚。都合の良いリセット。なんの根拠もないけど、30代は(も)、明るい気がする。

 

いい加減に30代、楽しもう。